◆やはり宮内庁管轄でだけのことはあり全てが美しい。
いつもの事ながら扉を開けてもらって一歩中に踏み込むと雅やかな別世界が広がっている。
隣雲亭は一番高い上離宮にあり下離宮からでも約40mの標高差。土橋から見る浴龍池の向こうは障害物なく京都市北部の市街地が眺望できる。
都をへいげいするこの地の人工の池を造った上皇のセンスは素晴らしい。
建物、釘隠などの各種金物も心憎い趣向が凝らされている。
土橋の手斧(ちょうな)削りの欄干が栗の木であったり桂離宮のようにコルクの木がふんだんに使われていたり散財と言ってもいいような豪勢さ。
隣雲亭の下の植え込みは人の背よりも高く手入れは難渋すると思われる。
木々の色付く季節に行けたら最高と思われる植栽。
借景が多く取り入れられ一度に全容を見せず次の趣向はどんなものかと期待させられるような造りは離宮ならでは。
周辺の棚田や飛び地の管理まで含めると現在の維持費も大変なものになるのだろうがずっとこのままの景観を保ってほしい。
★17世紀中頃、後水尾上皇によって造営されたもので、上・中・下の3つの離宮からなり、借景の手法を採り入れた庭園として,我が国を代表するものです。